令和8年4月20日の市長室
市長提案理由説明書
本日は、令和8年土佐清水市議会定例会4月会議を招集申し上げましたところ、議員各位におかれましては何かと御多用の中、御出席を賜り開会の運びとなりました。心から御礼申し上げます。
会議の開催に当たり、本議会に提出させていただきました議案の概要を御説明申し上げ、議員各位の御理解と御協力を賜りたいと存じます。
草木が芽吹き始め、空が澄み渡り、柔らかな陽射しが降り注ぐ、生命の息吹を感じさせる、正に「春うらら」の真っただ中、市民ひとり一人が希望に満ちた新年度を迎えられお喜び申し上げます。
現在、我が国の経済は、円安の影響や原材料費の更なる上昇など、物価高騰の波が収まらない極めて厳しい局面にあります。
公共事業における資材価格の高騰は、本市の事業運営においても少なからず影響を受けておりますが、限られた財源の中で優先順位を明確にし、真に求められる施策の着実な執行に全力を注ぐとともに、職員一丸となってスピード感を持って取り組んでまいる所存です。
さて、去る3月、高知県より最新の知見に基づく「南海トラフ地震による新被害想定」が公表されました。
今回の想定では、地盤モデルの精緻化や最新の地形データが反映され、本市における津波の高さは最大34.5メートル、また市内約3分の1の地域で震度7の激しい揺れが予測されるなど、改めて私たちが直面している危機の大きさを突きつけられる結果となりました。
しかし、この厳しい数字を前に、私たちは決して立ち止まるわけにはまいりません。
県の新想定では、たとえ過酷な揺れや津波が襲ったとしても、「住宅の耐震化」と「揺れが収まった直後の早期避難」を100%徹底することで、犠牲者を大幅に減少させることが可能であるという、希望ある試算も同時に示されております。
これから、市民お一人おひとりの「防災意識というソフトの力」を極限まで高めていくことこそが、命を守るための最後の砦であり、市政の急務であると確信しております。
本市といたしましては、新たに示された「災害関連死」への対策や、個別避難計画の策定を更に加速させてまいります。
「正しく恐れる」ことを忘れることなく、行政による「公助」のみならず、地域での「共助」、そして自らの命は自ら守る「自助」の精神を市民の皆様と共有し、想定死者数を限りなくゼロに近づけるため、全力で邁進してまいります。
議員各位及び市民の皆様の、より一層の御理解と御協力をお願い申し上げます。
そして、この厳しい状況の中にあって、本市に大きな勇気と希望を与える、この上ない吉報が舞い込んでまいりました。
去る4月9日、私たちが長年待ち望んでいた「ジョン万次郎」を主人公としたNHK大河ドラマの制作が、ついに決定いたしました。
これまで本市では、署名活動や全国の関係自治体との連携など、市民の皆様と共に「ジョン万次郎を大河ドラマに」という熱い想いを長きにわたり積み重ねてまいりました。
今回の決定は、その一途な願いが結実したものであり、万次郎の不屈の精神と、多文化共生の先駆けとしての功績が、改めて正当に評価された証であると感じております。
荒波を越え、異なる文化をつなぎ、日本の夜明けに尽力した万次郎の歩みは、困難な時代を生きる私たちに「道は必ず切り拓ける」という強いメッセージを与えてくれます。
今後、全国から注がれる熱い視線を追い風に、万次郎と土佐清水の魅力を広く世界に発信し、観光の振興はもちろん、市民の皆様が故郷に更なる誇りを持てるまちづくりにつなげてまいる所存です。
他方、ジョン万大河ドラマ決定で大きく期待が広がる中、5月1日から足摺海底館の営業を一時休館する見通しとなりました。
建設から50年以上が経過し、連絡橋の経年劣化と本体の浸食が進行しており、安全性の担保を保証できる状態ではないと判断したものです。
大河ドラマ「ジョン万」の放送が決定して、土佐清水市への注目度が高まる中ではありますが、やむなく一時休館して状況判断するとのことで、営業再開時期については未定となっています。
また、昨年度から準備を進めてまいりました「地域みらい留学」につきましては、施設整備において紆余曲折ありましたが、無事に整えることができ、今年度、市外から8名の学生を迎え入れる運びとなりました。
地元の清水中学校からの進学者と合わせますと、新一年生は46名となり、当初想定していた1クラス編成を上回る、2クラス編成でのスタートを切ることができました。
今後におきましても、小中高一貫教育の推進をはじめとする教育の魅力化に邁進するとともに、地域みらい留学の更なる発展を通じて、学生間の交流はもとより、関係人口の拡大にもつなげてまいる所存です。
続いて、交通安全の推進につきまして少し触れさせていただきます。4月1日から大きな転換期を迎えております、改正道路交通法の施行により、自転車の交通違反に対して「交通反則通告制度」、いわゆる「青切符」による取締りが開始されました。
これは、信号無視や一時不停止といった危険な運転に対し、反則金の納付を求める制度であります。
本市といたしましては、この制度導入を機に、改めて自転車の安全利用と交通ルールの遵守、更には命を守るためのヘルメット着用を強く呼びかけてまいります。
先ほど申し上げました防災対策と同様、交通安全においても「自らの命は自ら守る」という意識を市民の皆様と共有し、悲惨な事故のない、安全で安心な土佐清水市の実現に向けて取り組んでまいります。
それでは、御提案いたしました案件につきまして、概要を御説明申し上げます。
報告第4号は、土佐清水市債権管理条例第16条第1項の規定に基づき、非強制徴収債権の消滅時効を理由に、水道使用料の債権を令和8年3月31日付けで放棄しましたので、これを報告するものであります。
報告第5号から報告第6号までの2件につきましては、法改正等に伴う関連条例の改正につきまして専決処分した報告であります。
議案第21号は、「子ども・子育て支援金」の税区分が新設されたことにより保険税率の記載を追加し、基礎課税額の所得割及び均等割について、国民健康保険被保険者への国民健康保険税の負担増加の緩和を図ることに加え、令和7年4月改正時に、一部の均等割軽減額の改正が漏れていたため、条例の一部を改正するものであります。
議案第22号は、各種選挙における市役所本庁で実施されている期日前投票所の投票管理者及び投票立会人の報酬を改正するため、条例の一部を改正するものであります。
議案第23号は、奨学資金返還金の助成について、令和8年度から企画財政課が所管する「土佐清水市若者移住・定住促進生活応援事業助成金交付要綱」に基づき助成を行うことになったことに伴い、条例の一部を改正するものであります。
以上をもちまして、議案提出に当たっての私からの説明を終わらせていただきます。
なお、細部につきましては、総務課長から説明をいたしますので、御審議の上、適切なる議決を賜りますようお願い申し上げます。
令和8年4月20日
土佐清水市長 橋本 敏男