令和6年9月2日の市長室
市長提案理由説明書
本日ここに、令和6年土佐清水市議会定例会9月会議の開催に当たり、市政の課題等につきまして、所信の一端を申し述べますとともに、令和6年度土佐清水市一般会計補正予算(第2号)をはじめとする提出議案等について御説明申し上げ、議員の皆様及び市民の皆様に御理解と御協力をお願い申し上げます。
年々気温の上昇を実感する中、我が国におきましては、この7月の平均気温が1898年以降で最も高くなり、世界的にも7月21日の世界平均気温が、1940年以降の観測史上最高を更新いたしました。
本市の気温を調べてみますと、10年前と比べ1.5度から2度程度上昇しており、何より気温30度以上の「真夏日」となる日数が、3倍程度にまで増加しています。特に本年は、7月16日から8月19日までの34日間連続で最高気温が30度超えとなるなど、身をもって温暖化を感じるとともに、温暖化の影響により、台風の巨大化も危惧するところです。
8月22日に発生した台風10号は、進行速度が非常に遅く、九州を中心に全国各地で大きな被害をもたらしました。本市におきましては、8月29日、気象庁による大雨・波浪警報の発令に伴い、災害対策本部を設置し、同日9時より避難所を開設のうえ、警戒態勢を整えていたところですが、落石や倒木はあったものの、幸いにも大きな被害はなく安堵したところです。
まだまだ、暑い日が続くと予測されている上に、これからは本格的な台風シーズンを迎えます。熱中症対策に加え、台風等への対策にも心がけをお願いいたします。
猛暑、台風と触れさせていただいたところですが、8月8日午後4時半すぎ、日向灘の深さ31キロを震源とするマグニチュード7.1の地震が発生し、宮崎県日南市で震度6弱の揺れを観測したほか、震度5強を宮崎県と鹿児島県で観測しました。幸いにも死者はいなかったものの、重軽傷者10人、住宅等も70棟を超える被害がありました。
被災されたすべての皆さまに心よりお見舞い申し上げ、一日も早い復興をお祈りいたします。
この地震を受けて気象庁により、同日、南海トラフ地震の想定震源域で大規模地震が発生する可能性が相対的に高まったとして「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」が初めて発表されましたが、8月15日に、巨大地震注意の発表以降、大地震などの異常な現象が観測されなかったとして、政府としての「特別な注意の呼びかけ」は終了となりました。
本市では、幸いにも震度は1程度で被害についても特に確認はされなかったものの、自主避難に対応する避難所を開設するなどの対応を行ったところです。
今回、初めて「巨大地震注意」が呼びかけられ、何事もなく終了はしたものの、市民の皆様におかれましては、非常に緊張された1週間であったのではないでしょうか。
南海トラフ地震の30年以内の発生率は70~80%と非常に高いと予測されているところですが、地震はいつ発生するのかわかりません。今一度、地震発生時の対応の確認を行っていただくとともに、普段からの備えの継続をお願いいたします。
ここまで厳しい今夏の状況をお話しさせていただきましたところですが、今夏は若者の目覚ましい活躍にも目を見張ったところです。
第33回夏季オリンピック・パリ大会では、海外開催における過去最多のメダルを獲得。中でも、レスリングに出場した高知県勢の桜井選手、清岡選手におかれましては、県勢92年ぶりとなる金メダルを獲得されたことは、まだ記憶に新しいところです。
また、7月14日から16日に台湾で開催されました世界ユースデフ選手権におきまして、本市の岡田泰尚さんが400メートルリレーにおいてジュニア世界記録更新で金メダルを獲得されたほか、8月に開催されました第75回県中学校野球選手権大会では、清水中学校が大月中学校との連合チームで出場され、連合チームとして初めての優勝を飾られました。
このほかにも多くの方々が、様々な分野において御活躍されているところです。今回は、これらの方々の御紹介にとどめさせていただきますが、皆様に対し、この場をお借りしまして、お祝いとこれからの更なる御活躍を祈念申し上げます。
さて、本市は本年8月1日に市制施行70年を迎えました。この市制施行70周年を記念する式典及び第9回土佐清水市ジョン万祭りを来月10月26日(土)に市民文化会館で合同開催するほか、同日、中央町では魚市やハロウィンパレードなど記念イベントの開催も予定しておりますので、市民の皆様の御来場をお待ちしております。
70周年記念事業としましては、7月28日に市民の方からのアイデアより実現となりました、市内で最初の鉄筋2階建て校舎である旧幡陽小学校など、市内5つの「名建築」を専門家と巡るツアーが市内外から34名の参加者のもと開催されたほか、70周年を記念するロゴの作成、シークワーサーや小夏のクラフトビール製造、市制70年を映像や写真で振り返る企画展の開催、姉妹都市である豊見城市との連携により、本市のあしずり黒潮米を原料とした記念泡盛を製造するなど、様々な取り組みを実施し、市民の皆様とともに70周年を祝い、盛り上げていきたいと考えておりますので、皆様のご支援、ご協力をお願いいたします。
次に、御寄附等の報告をいたします。
公益財団法人藤井財団様より、市内の放課後子ども教室と放課後児童クラブへDVD12作品5セットを御寄贈いただきました。
この場をお借りしまして、厚くお礼申し上げます。
続きまして、地方公共団体の財政の健全化に関する法律に基づく健全化判断比率及び資金不足比率について報告させていただきます。
令和5年度決算に基づく健全化判断比率のうち、実質赤字比率及び連結実質赤字比率につきましては、例年どおり赤字ではないため、数値は出ておりません。
また、実質公債費比率は、昨年度より0.5ポイント改善し、16.1パーセントで、早期健全化基準の25パーセントを下回っております。
将来負担比率につきましては、昨年度より9.8ポイント改善し、55.9パーセントで、早期健全化基準の350パーセントを下回っております。
次に、公営企業の資金不足比率につきましては、水道事業会計、再生可能エネルギー事業特別会計のいずれも資金不足が生じていないため、数値は出ておりません。
引き続き、中長期的な視点で効率的な財政運営に努めてまいりますので、皆様の御支援、御協力を賜りますようお願い申し上げます。
それでは、御提案いたしました各案件につきまして、概要を御説明申し上げます。
報告第8号から報告第10号までは、専決処分した事件の報告についてであります。
報告第8号は、地方自治法180条第1項の規定に基づき、市営住宅利用者で令和2年8月から令和4年5月までの市営住宅使用料のうち、未納分の支払いを求める訴えの提起をしましたので、これを報告するものであります。
報告第9号及び報告第10号の2件につきましては、法改正等に伴う関連条例の改正につきまして専決処分した報告であります。
議案第46号から議案第50号までは、令和6年度予算にかかる補正予算案であります。
議案第46号一般会計補正予算(第2号)における主な内容としましては、65歳以上及び60から64歳の基礎疾患のある方々を対象とした新型コロナウイルス感染症予防接種に係る経費として2,873万3千円、物価高騰による家計負担への経済支援を兼ねた地域電子通貨Meji-Caのキャンペーン経費として2,124万2千円、令和8年4月より、清水高等学校へ市外からの留学生受け入れを目的とした「地域みらい留学」に係る寄宿舎機能を始め、地域交流や防災拠点としての活用を想定し、旧幡陽小学校の校舎改修設計に係る経費として731万5千円、本年6月に崩落した旧中浜小学校の石積の改修設計の経費として435万6千円などを計上しております。
このほか、本年4月の人事異動に伴う人件費の減額補正として2,745万4千円、財政調整基金積立金1億円など、歳入歳出それぞれ合計で1億8,725万1千円を補正計上しております。
特別会計では、4会計につきまして、補正予算案を計上させていただきました。
議案第47号国民健康保険事業特別会計補正予算(第1号)、議案第48号介護保険特別会計補正予算(第1号)、議案第49号特別養護老人ホームしおさい特別会計補正予算(第2号)、議案第50号水道事業会計補正予算(第1号)では、本年4月の人事異動に伴う人件費の補正等の予算を計上しております。
議案第51号から議案第57号までの7件は、令和5年度土佐清水市一般会計歳入歳出決算及び各特別会計の歳入歳出決算の認定についてであります。
議案第58号は、能登半島地震を教訓として、災害関連死等の対応に向け、災害弔慰金及び災害障害見舞金の支給に関する調査審議を行う、災害弔慰金等支給審査委員会を設置するため、災害弔慰金の支給等に関する条例の一部を改正するものであります。
議案第59号は、土佐清水市教育研究所における職員の配置に関し、実態に即した内容とするため、土佐清水市教育研究所設置条例の一部を改正するものであります。
議案第60号は、国民健康保険法の改正により、マイナンバーカードと健康保険証が一体化されることに伴い、国民健康保険被保険者証の返還に係る規定が廃止されることから、土佐清水市国民健康保険条例の一部を改正するものであります。
議案第61号は、議案第60号に同じく、国民健康保険法の改正により、マイナンバーカードと健康保険証が一体化されることに伴い、高知県後期高齢者医療広域連合規約の一部を変更することついて、地方自治法第291条の11の規定により、議会の議決を求めるものであります。
以上をもちまして、議案提出に当たっての私からの説明を終わります。
なお、詳細につきましては、所管課長から説明をいたしますので、何とぞ御審議の上、適切なる議決を賜りますようお願い申し上げます。
令和6年9月2日
土佐清水市長 程岡 庸