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令和3年9月6日の市長室

市長提案理由説明書

 本日ここに,令和3年土佐清水市議会定例会9月会議の開催に当たり,市政の課題等につきまして,所信の一端を申し述べますとともに,令和3年度土佐清水市一般会計補正予算(第4号)をはじめとする提出議案等について御説明申し上げ,議員の皆様及び市民の皆様に御理解と御協力をお願い申し上げます。

 今年も全国各地で線状降水帯の発生により,連日のように記録的な大雨が降り,河川の氾濫及び土砂災害が発生しております。これらの災害により,お亡くなりになられました方々に心からお悔やみを申し上げますとともに,被災されました皆様にお見舞い申し上げます。また,一日も早い復旧・復興を願っております。

 本市では,9月会議開会日である本日9月6日は,今から20年前の2001(平成13)年に発生しました「高知県西南部豪雨災害」の日であります。
 前日の9月5日夜から西日本上空に活発な秋雨前線が停滞し,この前線に向かって日本の東海上にある太平洋高気圧のふちを回り,前線に流れ込む暖気流と台風16号からの水蒸気で大気の状態は不安定となり,この影響により,6日未明から暖気流が高知県西南部の非常に狭い範囲に流入して,早朝にかけて強い雨雲が次々と発生する線状降水帯がもたらす雷を伴った激しい雨が降り続きました。前触れもなく襲ってきた未曽有の豪雨に河川の水はみるみるうちに増水し,あっという間に堤防を越え,その水は濁流となり,田を畑を押し流し道路を越え,容赦なく怒涛の如く家屋を襲いました。思いもよらぬ大洪水との遭遇に住民は家財も車も水の中に残して逃げることに精一杯でした。
 この豪雨による土佐清水市の被害状況は,負傷者3人,家屋の全壊17棟,半壊222棟,一部損壊7棟,床上浸水99棟,床下浸水199棟に上りましたが,一人の犠牲者も出さなかったのは,消防団員や地区役員等の迅速な避難の呼びかけによる地域住民の避難行動や安否確認,そして何よりも,日頃からの隣同士の助け合いや地域の固い絆があったからこそ住民の命が守られたと,当時を思い起こしながら確信しているところです。あの日から20年が経過しましたが,西南豪雨災害の教訓を忘れることなく,今後想定される全ての災害に備え,市民の命を守り,そして命を繋げるために防災・減災対策を推進することを改めてお誓い申し上げます。

 さて,全国的に新型コロナウイルス感染症拡大に歯止めがかかりません。もはや災害級と言っても過言ではない感染状況となっておりますが,高知県においても連日のように感染者数の最多を更新したことなどを受け,8月27日に国の「まん延防止等重点措置」が適用され,高知県では,高知市を対象地域として,飲食店などに営業時間の短縮や酒類提供の終日自粛を求めることを決定するとともに,高知県全域に不要不急の外出自粛を要請いたしました。
 本市におきましても,9月1日,市外在住で市役所本庁舎に勤務する職員1名の感染が判明いたしましたが,市民及び職員等に濃厚接触者がいないことが確認されており,通常どおり業務を継続しております。
 市民の皆様には,御心配と御不安をおかけして誠に申し訳ございませんが,より一層感染防止対策に万全を期してまいりますので,御理解,御協力をお願い申し上げます。

 高知県内でも感染力の強いデルタ株の影響により,若年層に加え,家庭内や市中での感染が拡大傾向にあり,県内感染「第5波」の収束が見通せない状況ではありますが,比較的順調に進んでいる本市のワクチン接種の状況について御報告いたします。
 5月から予約受付等の混乱を避けるため,年齢の高い方から順次送付してまいりました接種券も,7月9日には年齢順最後となる39歳以下の方々への送付が完了いたしました。
 この間,市内医療機関の皆様による多大な御支援,御協力をいただきながら,医療機関での個別接種や日曜日の集団接種と併せ,7月12日からは働く世代の方々が接種を受けやすいよう,新たに平日夜間における集団接種(ナイト接種)も実施するなど,希望する市民の皆様への迅速な接種に全力で取り組んでまいりました。
 その結果,8月31日現在の接種率は,高齢者で少なくとも1回目の接種を終えられた方は88.32パーセント5,809人で,2回目の接種を完了された方が87.17パーセント5,733人となっており,市民全体でみますと,1回目を接種した方が81.68パーセント9,953人,2回目の接種を完了された方が78.45パーセント9,560人となり,9月中には,希望する市民の皆様への2回の接種が概ね完了する見込みとなっております。
 今後は,ファイザー社製のワクチンが満12歳以上を対象としていることから,満12歳を迎える方には誕生月ごとに接種券を送付し,接種希望者には,その都度,健康推進課において調整を行いながら円滑かつ迅速な接種に取り組んでまいります。

 次に本市出身の高校生の活躍について御報告いたします。
 現在,中村高校西土佐分校の生徒である福島里穂さんが,北信越地方を中心に開催された全国高校総合体育大会(インターハイ)の公開競技であるカヌー女子カナディアンシングル500メートル及び200メートルで優勝し,見事2冠を達成いたしました。
 福島選手は,清水中学校では陸上競技である砲丸投げの選手であり,卒業後は,カヌー部がある中村高校西土佐分校へ進学し,親元を離れ寮生活を送りながら,一からカヌーの練習に励んでおられました。
 インターハイ後は,先週の3日から5日にかけてポルトガルで開催されましたジュニアの世界選手権に出場しましたが,世界の壁は思いのほか高く,残念ながら予選で敗退したとの結果が入っております。この経験を活かし,今後の活躍に期待するとともに,市民の皆様の応援をよろしくお願いいたします。

 次に,御寄贈の報告をいたします。
 土佐清水ライオンズクラブ様より,今年も市内の赤ちゃんが誕生した御家庭に対し,「土佐清水に生まれてくれてありがとう」の気持ちを込めて,オーガニックコットンのバスタオル20枚を寄贈していただきました。所管課を通じて各家庭へお渡しいたします。この場をお借りしまして,厚くお礼申し上げます。

 続きまして,地方公共団体の財政の健全化に関する法律に基づく健全化判断比率及び資金不足比率について報告させていただきます。
 令和2年度決算に基づく健全化判断比率のうち,実質赤字比率及び連結実質赤字比率につきましては,例年どおり赤字ではないため,数値は出ておりません。
 また,実質公債費比率は,昨年度より0.3ポイント改善し,18.5パーセントで,早期健全化基準の25パーセントを下回っております。
 将来負担比率につきましては,昨年度より14.2ポイント改善し,100.9パーセントで,早期健全化基準の350パーセントを下回っております。
 次に,公営企業の資金不足比率につきましては,水道事業会計,再生可能エネルギー事業特別会計のいずれも資金不足が生じていないため,数値は出ておりません。
 引き続き,中長期的な視点で効率的な財政運営に努めてまいりますので,皆様の御支援,御協力を賜りますようお願い申し上げます。

 それでは,御提案いたしました各案件につきまして,概要を御説明申し上げます。

 報告第5号は,租税特別措置法及び租税特別措置法施行令が,令和3年3月31日に改正されたことに伴う半島振興対策実施地域における固定資産税の不均一課税に関する条例の一部を改正する条例の制定について,令和3年8月13日付けで専決処分した報告であります。

 議案第42号から議案第48号までは,令和3年度予算にかかる補正予算案であります。

 議案第42号一般会計補正予算(第4号)は,6月24日から25日にかけて降った大雨により被災した,市道布立石中村線の災害復旧工事費用として,歳入歳出それぞれ1,000万円を補正計上しております。
 なお,本議案につきましては,早急に工事に着手するため,本日先議をお願いするものであります。

 議案第43号一般会計補正予算(第5号)は,新型コロナウイルス感染症の影響が長期化し,経営が悪化している土佐くろしお鉄道中村・宿毛線の安定的な運行維持のための経費として,昨年度に引き続き542万2千円,また,市内経済を下支えするための事業者支援策として実施している地域電子通貨Meji-Caのチャージによるプレミアムポイントに要する経費に1,000万円,観光業活性化のための事業として実施する土佐清水ジョン万満喫旅行事業第2弾及びはた旅クーポン事業に合わせて2,299万2千円,アフターコロナを見据えた取組として,既存の観光拠点等を活かし,宿泊増を目的に誘客促進を図るための経費に1,870万3千円を計上しております。

 次に,防災関連としまして,総務省消防庁が実施する消防団への車両無償貸付事業により,下ノ加江下浦分団に配備されることとなる救助用資機材搭載型消防ポンプ車にかかる諸経費として25万9千円,地震による倒壊のため避難経路を閉塞するおそれが高い老朽住宅除却にかかる補助金として1,028万円。

 去る,6月25日,7月18日の大雨による市内各所における路面崩土,普通河川修繕及び浚渫のための経費として770万円,また,農地及び農業用施設の災害復旧費として800万円,林道の災害復旧費として1,600万円,市道及び普通河川の災害復旧費として1,910万円を計上しております。

 このほか,本年4月の人事異動に伴う人件費の減額補正として5,272万3千円,財政調整基金積立金8,000万円など,歳入歳出それぞれ合計で1億9,604万4千円を補正計上し,一般会計予算総額は,先議いただく議案第42号一般会計補正予算(第4号)と合わせて107億4,648万4千円となります。

 特別会計では,5会計につきまして,補正予算案を計上させていただきました。

 議案第44号国民健康保険事業特別会計補正予算(第1号),議案第46号後期高齢者医療特別会計補正予算(第1号)及び議案第48号特別養護老人ホームしおさい特別会計補正予算(第1号)では,本年4月の人事異動に伴う人件費の補正予算を計上しております。

 議案第45号介護保険特別会計補正予算(第1号)は,本年4月の人事異動に伴う人件費のほか,令和2年度の事業費確定に伴う返還金等を計上しております。

 議案第47号再生可能エネルギー事業特別会計補正予算(第2号)は,一般会計への繰出金3,000万円を補正計上しております。

 議案第49号から議案第55号までの7件は,令和2年度土佐清水市一般会計歳入歳出決算及び各特別会計の歳入歳出決算の認定についてであります。

 議案第56号は,足摺テルメの新たな指定管理者である株式会社Dot Homes(ドット・ホームズ)によるリニューアルオープンに向け,設置目的を改めるとともに,基本宿泊料の上限等を設定するため,宿泊温泉施設足摺テルメの設置及び管理に関する条例の全部改正を行うものであります。

 議案第57号は,令和3年3月末をもって失効した「過疎地域自立促進特別措置法」に続く新たな法律である「過疎地域の持続的発展の支援に関する特別措置法」が4月1日に施行されたのに伴い策定する「土佐清水市過疎地域持続的発展計画」について,議会の議決を求めるものであります。
 なお,新法の制定にあたっては,私が8月から会長を務めております全国市長会の過疎関係都市連絡協議会,理事を務めております全国過疎地域連盟で政府及び国会への要請活動を行うとともに,市議会におきましても,令和元年定例会6月会議で「新たな過疎対策法の制定に関する意見書」を採択していただくなど,執行部と議会が両輪となって取組を行った成果と言えるのではないでしょうか。
 議決をいただいた後は,新たな計画に基づき,持続可能な地域づくりを目指し,更なる取組の強化を図ってまいります。

 議案第58号は,財産を無償譲渡することについて,地方自治法第96条第1項第6号の規定により議会の議決を求めるものであります。

 以上をもちまして,議案提出に当たっての私からの説明を終わります。
 なお,詳細につきましては,所管課長から説明をいたしますので,何とぞ御審議の上,適切なる議決を賜りますようお願い申し上げます。

 

令和3年9月6日
土佐清水市長
  泥谷  光信

 

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