鯨株願書取遣控
秘書に記載された捕鯨の絵図
窪津浦鯨文書は、「鯨株願書取遣控」及び「秘書1」「秘書2」の3冊よりなり、もと窪津浦庄屋「亀谷家」で保管されていたもので「亀谷文書」とも言われ、藩政時代から捕鯨の場所として知られた窪津浦の当時の捕鯨状況を知るうえで非常に貴重な資料となるものです。
天保14年(1843)より安政2年(1855)までの「地下人共のため仲買株を十株窪津浦に認めて欲しいという願書」や「鯨場所を以布利ホオノコに変更する願書」及び「窪津浦鯨場所の商人達の納屋再建」等の諸願書が収められています。
発信者は津呂組鯨方作配・窪津浦庄屋・商人等で、受信者は郡奉行所・御手先鯨方引受作配・窪津浦役人等となっています。
捕鯨に関する諸本を書き写したものです。文書の中に「盛年不来一日難再晟及時当勉励歳月不待人・・・・・・遂に是を書写して後世に残さん事を。己卯、青陽中浣。宝暦九卯年(1759)弥生下書写之者也」と記されており、これを後世に残さんとして書写されたその意図がうかがわれます。
本文中には「土佐國鯨漁業根元聞書」「鯨漁一巻入用之事共斗抜書」「寛政十一年(1799)末四月九州鯨組諸事聞控」「鯨場人高船数并諸造用大積巻文化五辰年(1808)十二月津呂組鯨方ヨリ御下横目江出扣」の四項が記されています。
前半は捕鯨業に必要な諸材諸道具の仕法・儀式や諸々の祝法・貸金・買入諸品などの取り決め・内容等を記し、後半は勢子舟・網舟・持双舟・銛・庖丁等の仕様、桶・釜・合印(旗)・樽など鯨の捕獲・解体・油仕成・保存などに必要な道具や、鯨の捕獲図や鯨の種類など彩色の図入りで記されています。
詳細情報
土佐清水市指定文化財 | |
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種別 | 有形(古文書) |
指定年月日 | 昭和59年2月15日 |
指定番号 | No.84 |
所在地 | 土佐清水市窪津字三社浜476番 |
所有者等 | 窪津漁業協同組合 |
形状 | 1.鯨株願書取遣控(24枚の和紙綴) 縦 29.0cm 横 20.8cm 2.秘書1(40枚の和紙綴) 縦 27.8cm 横 20.0cm 3.秘書2(59枚の和紙綴) 縦 28.5cm 横 20.8cm |
問い合わせ先 | 生涯学習課 |
電話番号 | 0880-82-1257 |
メールアドレス | syougai@city.tosashimizu.lg.jp |